2002.7.17 全日本プロレス@大阪府立体育館観戦記

 

 この観戦記を読むに当たって、先ずBBSにあるプロレスラー・アイコンによる画像確認及び、このコーナーのトップページのプロレス技壁紙を見ておくことをお薦めします。(笑)

 2002年7月17日(水)、大阪府立体育館に『全日本プロレス 2002 SUMMER ACTION SERIRES』を観に行って来ました。プロレスの生観戦自体、去年の新日本プロレスの大阪ドーム以来ということで久々やったわけやけど、全日本プロレスの会場に足を運ぶのはかなり久々。10年以上経つんちゃうかな。まだ馬場も鶴田も健在で、四天王という言葉も無かった時代。アンドレ・ザ・ジャイアントも出てたし、ダイナマイト・キッドも出てた。しかし、オレの一番好きなレスラーである天龍源一郎はもうSWSに移籍していたっけ。

 会場に向かってチャリを走らせていると、目の前に武藤敬司の顔が二つ! よく見るとカップルが武藤Tシャツを着ていて、背中の武藤の顔が並んでいたのだ。(笑) 会場に着いたのは18:00頃。試合開始は18:30なのでまだ余裕があった。周辺は人だらけでダフ屋も多かった。飯は家を出る前におかず程度のものは食っててんけど、マクドあたりで買うつもりが、どこもかしこも列をなしとって、面倒なのでガマンすることにした。そんなもんで、もう中に入ってしまった。入るとすぐにグッズ売り場があって、当然たくさんの人が群がっている。とりあえずプログラム(パンフ)を買い求める。売っていたのはレフェリーの和田京平とウォーリー山口のお二人。1000円払った。全日本プロレスの会場というと、先ずびっくりしたのがこの売り場でジャイアント馬場の長デッカイ顔がすぐさま目に飛び込んできたことやった。葉巻をくわえながらイスにどっかとすわって、Tシャツを買った人達にサインしたり一緒に写真を撮ったりというサービスをしていたんよ。あの風景が見られへんのはさみしいね。

 それと売り場にズラっと並んだTシャツに、ついこの前まで新日本プロレスにいた武藤、小島、カシンのものや、WARTシャツが売ってあるのも違和感があったね。ここで思わず買っちゃおうかとサイフをのぞき込ませたのが、RevolutionTシャツ! 昔から変わらない天龍革命の象徴のTシャツだ。しかし買うのをふみとどまらせたのが、「Revolution」のロゴの下に「Tenryu」と書いてあったこと。「ああこれだと着れない」と思ってやめた。オレはどうもTシャツに固有名詞が入ってるのは好きじゃないねんなあ。今までに一度だけ買ったTシャツが、あの「nWoTシャツ」。アレは流行ったねえ。街中でもけっこう見かけたもんや。

 そんなことを思い出しつつ、いざ座席の方へ。今回は奮発して7000円のリングサイドを取ったからねえ。10000円の特別リングサイドやったらもっと間近でテレビにも映れたかもしれへんけどね。そこまでは手が出えへんかった。それでも今回は初のアリーナ。実は今まで2階席からしか見たことがない。約20年ぐらいTV観戦はしときながら。(苦笑) アリーナ後方にヒナ壇を作り、そのわりと前の方の席やってんけど、自分の目線がリング上よりやや上に来るんでちょうど良い感じ♪

 早い時間に行くとたいていリング上で若手がウォーミングアップをしている。今回はあんまり見ることができなかったけどね。

 試合開始18:30ということで平日やったのもあるんやろうねえ、会場を見渡すとまだ開いている席がけっこうあった。それでも時間ちょうどに始まったのはSKYPerfecTV!のPPV生中継のせいやろうね。

 第1試合、渕正信、宮本和志VS奥村茂雄、保坂秀樹。やっぱり渕正信(48才・独身)の入場テーマ曲はケニー・ロギンスの『Danger Zone』ということで、すっかりお馴染。試合前の高揚感を盛り上げる。試合自体はやっぱり渕以外が若いんで、粗さが目立つけどね。今後に期待の宮本を応援してたけど、今日はパッとせんかったな。結局、独身貴族(!?笑)の渕正信が得意のバックドロップを食らわしつつ、しつこいぐらいのスモール・パッケージ・ホールド3連発で強引に保坂を丸め込んだ。まあこんなもんやろう。

 第2試合前には恒例のカラーボール投げが。後で選手のサインと交換してもらえるのだ。そのボールを投げるのが、次の試合に出る3選手。ジョニー・スミスのテーマ曲『SPEED TK-REMIX』にのって、ジョニー・スミス、愚乱・浪花、土方隆司が入場。このテーマ曲を聴くとなんか今にも桜庭和志が入場してきそうやったけどね。(笑) みんな手拍子で迎える。そしてリングインするやいなや、客席にカラーボールを放り始めた!みんな立つ!オレはあんまりサインとか興味ないんで座ってたけどね。(苦笑) 全然近くにも飛んで来うへんかったし。(笑) 

 投げ終った時点で相手のジョージ・ハインズ、カズ・ハヤシ、ジミー・ヤンが入場。この試合でいい動きを見せたのは、身長173cm(オレと一緒!! )とひときわ小さいにもかかわらず、アメリカのWCWで活動していたカズ・ハヤシ。元々はみちのくプロレスの覆面レスラー「獅龍」やってんけどね。成長したなあ。ロープワークなんかJr.ヘビーの選手らしく面白い動きをしていた。後はあんまりよく知らないけど、ジミー・ヤンの動きもなかなか良くて、技のフォームもキレイやし、今後期待できると思った。最後はカズ・ハヤシのファイナルカットで、かに道楽仮面の愚乱・浪花をフォール。

 第3試合は、嵐、荒谷信孝、平井伸和というWAR軍VSスティーブ・ウィリアムス、マイク・ロトンド、相島勇人の試合。個人的にはやはり天龍がSWS崩壊後、起ち上げて頑張っていたWAR軍に思い入れがあったんで、こちらを応援してたけどね。WARといえば天龍に代表されるゴツゴツしたファイトが得意なわけやけど、最初はチームワーク的にも完全に圧倒していた。けれども、最後はウィリアムスの一瞬のパンチが荒谷のアゴに見事にヒット!そこをすかさず殺人バックドロップ一発で決めてしまった。テレビで見ててもかなりえげつない急角度の落とし方をしてたけど、こうやって生で見てみるともう説得力アリアリ。さすがDr.デス(殺人医師)と呼ばれた男。やはり危険な必殺技を持ってるか持ってないかでレスラーとしても差が出てしまうねえ。

 ここで休憩に入る。この頃にはもう会場の席もほとんど埋まっていたな。不景気でどの会場も入れるのに苦労してるみたいやけど、この日はよく入ってたように思う。けっこう女性が多くて驚いたけどねえ。やっぱり武藤と小島の人気が高いんかな?

 さて第4試合、世界Jr.ヘビー級選手権試合、ケンドー・カシンVSグラン浜田。ここでPWF会長のスタン・ハンセンが入場とあって、場内にあのハンセンのテーマ曲『SUNRISE』が鳴り響く!いやはやもうこのテーマが鳴るだけでみんな総立ち!ハンセンが試合をするわけでもないのに大勢の人間が花道へどっと押し寄せる!それを蹴散らす若手レスラー達!(笑) トレードマークのテンガロンハットを発見!勿論、もう引退したからブルロープを振り回したりしてないけどね。思えば昔ハンセン、この会場で花道に押し寄せてきた観客に向かって、ウエスタン・ラリアットでおもいっきり吹っ飛ばしとったもんなあ。(爆) ハンセンもリングに上がるとサービスやろうねえ、軽くロングホーンのポーズで「ウィーーーーー!」の雄叫び。観客もそろって「ウィーーーーー!」。(笑)

 先ず小さな巨人グラン浜田の入場。グラン浜田ってもう52才やからねえ。普通、考えたら勝てるわけないんやけど、このオヤジの身体を見る限り全然52才には見えないし、本当に鍛えてるんやなあっていうのがわかる。ちなみに娘は女子プロレスラーの浜田文子。

 対するケンドー・カシンはPRIDEのリングであのハイアン・グレイシーと戦った男・石沢常光が正体なわけで、ガチンコでやってもメッチャ強いレスラー。ところが覆面をかぶるととんでもなく悪い事をやっちゃう男なのである。認定書をビリビリに破いたり、トロフィーをブっ壊したりとやりたい放題。この日も世界Jr.のベルトと自作のカシンベルトを持って入場。

 ベルトをハンセンに返上する際、今までの無礼ないきさつからも、ハンセンはカシンベルトを受け取ると、なんと場外へポイと放り投げてしまった。(爆) なんてことをするんだ!ってアピールするカシンに、ベルトは世界Jr.ヘビーのベルトだけだとアピールするハンセン。パントマイムを見てるようで面白い。(笑) ハンセンはこの後リングサイドの席に陣取って観戦。ちょうどオレのだいぶ前方で、白いテンガロンハットがやけにまぶしい。

 いざ試合が始まると浜田のオヤジは52才らしからぬ動きでカシンと互角に渡り合う。後ろに座ってるお姉ちゃんがずっと浜田のことを「浜ちゃ〜ん!」って応援してるのにはなんか笑ってしまったわ。(笑) 最後はカシンがコーナーに上った浜田から雪崩式の腕ひしぎ逆十字でギブアップ勝ち。カシンが例によって勝利者トロフィーを蹴飛ばすと、先ほどのカズ・ハヤシとジミー・ヤンがリングに上がってきた。そしてジミー・ヤンがカシンに詰め寄り、マイクを持ってアピール。「ネクスト・チャレンジャー、ジミー・ヤン」するとカズ・ハヤシが待ってくれと言わん様子でマイクを取ると、「カシン・・・防衛おめでとう」ここでまさか誉め言葉が出るとは思わなかったので場内爆笑。「次はこのカズ・ハヤシが挑戦する。歴史に残るいい試合をしよう。」とカシンに握手を求めるがこれを蹴りで返すカシン。リング上入り乱れる。「このJr.に入るにはグラン浜田なんか10年遅いんだよ!浪花、おまえも何か言ってやれ!」とカズ・ハヤシから急にマイクをふられた場外のカニ仮面、愚乱・浪花。マイクを持つと「グラン浜田をなめるなよ。グラン浜田はなあ、20年遅いんだよ!」・・・これって、エールなのか挑発なのかようわからんよねえ。(爆) 浪花の声ってなんか村上ショージみたいな声でなんかマヌケだったりする。(笑) 哀れ・・・グラン浜田。

 第5試合は30周年スペシャルマッチ。千の顔を持つ男、または仮面貴族と呼ばれるミル・マスカラスとその弟の飛鳥仮面・ドス・カラスVS黒い呪術師・アブドーラ・ザ・ブッチャーと元UWF戦士の200%男・安生洋二という異色タッグ。安生はK-1やバーリトゥードにも出場したことがある。いやはや、まさかこの歳でまだプロレス会場で『SKY HIGH』を聴くことができるとは!夢にも思わんかったなあ。鳥肌モノやったわ。この二人の入場シーンはかなりの盛り上がりを見せた。花道に人が押し寄せすぎて、けっこう長い入場シーンになってたな。対するブッチャー、安生組の入場テーマ曲は、全日本ではお得意のパターンである、お互いの曲の合体MIXヴァージョン。ブッチャーのテーマ曲はPINK FLOYDの『吹けよ風、呼べよ嵐』。なんとも怪しげな曲。安生のテーマ曲は一世を風靡したジュリアナ全盛期の名曲、L.A. STYLEの『JAMES BROWN IS DEAD』。この2曲をある意味強引に(笑)ミックスしてたね。テンポが全然違うから、客も手拍子しづらかったよう。

 マスカラスVSブッチャーなんて言ったら、オレが子供の時なら黄金カードでっせ。今なら昭和の遺物とでも言われそうなカードやけど、やっぱり往年の名レスラー達ってその存在感が違うわ。マスカラス(60才)、ドス・カラス(51才)、ブッチャー(66才!)・・・・ジジイやでみんな。安生は35才かな。ちなみにUWFインター時代にうちの店へ来たことがあります。(笑) でまあブッチャー絡んでるから当然の如く場外乱闘が繰り広げられた。これが2階席で見てた時はよう見えとってんけどね。今回はアリーナにおって自分とは違う放送席方面で暴れとったから、全然何やってるか見えなかった。イス持ちだしてブン殴ったりしとったようやけどね。けっこうドス・カラスがブッチャーにつかまってやられとったけど、場内のドス・カラスコールにのってイスの上に立ってコブシを振り上げてノリノリやった! しかし、リング上でブッチャーがドスのマスクをはぎにかかって後ろの紐に手をかける。オレの後ろから「子供達の夢を壊さないでくれ〜!」「夢!夢!夢!」などといった声が飛ぶ。(爆) そんな声もむなしく、ドス・カラスのマスクが一瞬取れるのを見てしまった。生放送ではちゃんと映ってたんかなあ? マスカラス兄弟のフライング・クロスアタックの編隊飛行にブッチャーの地獄突きとおいしいシーンが続出。最後はブッチャーのエルボー・ドロップが安生に誤爆!そこをマスカラスがコーナーポストからのフライング・ボディアタックで見事安生をフォール!・・・・正直に言っちゃうと、安生が花を持たせてやった役回りをしたっていうように見えたけどね。(苦笑) 負けたとはいえ、安生もキャラが良く、イイ味を出していた。試合後はしっかりブッチャーと仲間割れし(笑)、ゴングを叩く木槌でブッチャーの額をメッタ打ち。ちょうど本部席のハンセンの目の前やったから、「ハンセン〜、お仕置き〜!」なんて声も飛んでいた。(笑) この後ブッチャーは一人で「ブッチャー!バーバ!」の掛け合いで会場を盛り上げると、『吹けよ風、呼べよ嵐』にのって控室へ帰って行った。

 第6試合、長井満也、本間朋晃VSマイク・バートン、ジム・スティール。長井は元・リングスでK-1にも出ていたね。本間は元・大日本プロレス。バートンは元・WWFで、スティールはあのSEGAの『バーチャファイター』のキャラクター、ウルフ・ホークフィールドを実際のリングで演じていた男。この二人のタッグは前回の新日本プロレスのG1タッグでも準優勝しており、実力は折り紙つき。やっぱり外人は間近で見るとデカイわ。こんなん日本人普通まともにやったら勝たれへんのちゃうかって思ってまうもんなあ。試合はバートンが本間からフォール勝ちしてんけど、どうやって勝ったかも覚えていない印象の薄い試合やった。長井のコーナーからの飛び膝蹴り、ハイパーニー空牙だけが印象に残ってる。

 第7試合、セミファイナル。世界タッグ選手権試合、武藤敬司、太陽ケアVSブライアン・アダムス、ブライアン・クラークの二人合わせて"クロニック"というタッグの対決。武藤敬司は新日本プロレスの看板選手やったわけやけど、プロレスの方向性の違いなどから、全日本へ移籍。太陽ケアはハワイ出身で生粋の全日本レスラー。次代を担うレスラーとして要注目!太陽ケアって実はミナミで見たことがあるんよね。(笑) まだマウナケア・モスマンの頃で、久左衛門町を歩いてたら何やら前方からデッカイ外人が何人か歩いてきた。よく見ると、ゲーリー・オブライトとジョニー・スミスとケアと誰かやった。その日はなみはやドームで全日の興業があってんなあ。よう声かけへんかったけどね。(苦笑)

 クロニックはよう知らんねんけど、アメリカのWWFやWCWでタッグ専門屋として活躍してたみたいやね。デカかったわ。アダムスが200cmで133kg、クラークが196cmで138kgだそうな。アメリカン・プロレスって大味なイメージがあるんやけど、これだけの肉体から大技が次々と繰り広げられると、やっぱりそれなりに説得力あるねえ。武藤がムーサルト・プレスまで披露してたけど、シャイニング・ウィザードはガードされてたし、このクロニックってチームなかなかやりよるなあ。で、太陽ケアが場外に出されてもうて分断されてるうちに、武藤がつかまってしまい、クラークのメルトダウンを喰らってなんとフォール負け!タイトル移動!!しかしこのクロニックってアダムスもクラークも同じコスチュームで似たような体つきしてるからどっちがどっちかあんまりわからへんかったわ。(苦笑)

 さて、いよいよ第8試合メインエベント。三冠ヘビー級選手権試合、天龍源一郎VS小島聡。なんせこの試合目当てでチケットを買ったわけやからね。ナニワ天龍隊や風雲昇り龍といった昇りがいっぱい立ち並ぶ。天龍はオレが最も思い入れの強い選手。その生き様、行動、言動、試合内容に男気を感じずにはいられない。日本人で馬場・猪木をフォールした唯一の男で「ミスター・プロレス」と呼ばれている。彼の試合にハズレはない。現在52才にしてこの強さたるや、ピークは過ぎているとはいえ馬場や猪木の同年齢時の動きをも遥に凌駕している。さすがにスピードは落ちてるけどね。あの歳であの肉体とパワーと精神力を維持してるのは脱帽モノですわ。まさに昭和の怪物である。

 対する小島聡は武藤、カシンと共に新日本からの移籍組。ついこの間まで新日のリングで見てたんやから変な感じやわね。今回はスタン・ハンセンから本家本元のラリアットを直伝してもらい、ノリにノっている。天龍とのラリアット対決は必至!

 小島はオレンジを基調としたコスチュームで、明るいキャラクター。正直言って今回はこの小島人気の方が高いんじゃないかと思ってたんで、それはもうメチャクチャ天龍を応援するつもりでいた。でもいざ天龍が『サンダー・ストーム』にのって入場してくると天龍コール!やっぱり全日本プロレスやからねえ。まだまだ新日移籍組には渡せないって思ってる人達も多かったのかもしれない。

 いやはやスゴい試合やった。やっぱり天龍って威圧感がスゴイよなあ。実は天龍、数日前にタッグの試合で膝をケガしてしまい、そこを武藤に狙われて足4の字固めで生涯4度目のギブアップ負けという屈辱を味わったばかり。その膝を小島に蹴られると、何だコノヤローとばかりに、ここを蹴ってみろよとあえて膝を前に出す天龍。プロレスは相手の技を受けて、それをしのいでみせてなんぼの世界だったりもするけど、やっぱり痛々しかったんで、「天龍もうそんなに受けんでええで!」っていう声も飛んでいた。オレも叫んでいた。(笑) 

 天龍お得意の水平チョップとグーパンチのコンビネーションを先に小島が仕掛けると、それに耐えた天龍が倍返し。こういうしばき合いの意地の張り合いはプロレスには欠かせない。この前のPRIDE21のメインでドン・フライと高山善廣が見せた真っ向からのどつき合いの名勝負も、プロレスをやってた二人だから成しえた業。ゴツゴツしたファイトに目が離せない。

 膝を狙う小島を、なんと下から回転して膝十字固めを見せる天龍!珍しすぎ。昔、馬場がよく解説で言ってたけど、何をやらかすかわからないのが天龍の良さだったりする。ラリアットを先に見舞ったのも天龍だ!場外にエスケープする小島に、今度はトペ!天龍が場外に飛んで行った!普通、天龍みたいな選手はやらんでこんなリスキーな技。だが、小島も負けてなかったね。エプロンに立つ天龍の右膝めがけてラリアット!これはキツい!さらに追い討ちをかけるように、今度は小島がプランチャ!さらにさらにプランチャ・コンヒーロとこれまた天龍に触発されたとしか思えない技を小島が披露。

 リングに戻ると小島がドラゴンスクリューからの足4の字固め。「天龍、裏返れ〜!」オレは叫んだね。(笑) 4の字固めはひっくり返ると今度は技をかけている方が痛くなるのだ。なんとか逃れた天龍を今度は長州力を彷彿させるサソリ固めで追い込んでいく。小島も普段出さない技を使っていくねえ。天龍の膝がキツいぞ〜〜。それもこれもラリアットで仕留めるための序曲。

 しかしここからの天龍の逆襲がスゴかった。なんとまあ、久々にみる天龍の投げっ放しのジャーマン・スープレックス!しかも2連発!形は相変わらず不格好やけどね。(苦笑) 自分の頭の方がゴツッて当たってるんちゃうかっていうような。(爆) さらに胴締めスリーパーなんて!これも超レアやで。格闘プロレスに対するアンチテーゼか!?極め付けがコーナーからのスパイダー・ジャーマン!この技はコーナーのトップロープに自分の両足を絡めて、相手を雪崩式のジャーマン・スープレックスで投げ飛ばすという荒技。右膝痛めてるからつらそうやったけど、よくもまあやったもんだわ。この後のエルボー・ドロップは交わされたけどね。

 この頃にはお客さんもみんな大興奮!隣のカップルも最初はどちらを応援しようかなって感じやってんけど、いつの間にか夢中になって小島を応援するようになってた。(笑) 負けじと天龍を応援していたオレ。(笑) もうオレ一人で20人分ぐらい応援しとったからなあ。(爆) 

 さあ、ここからがクライマックス。天龍がカウンターの水平チョップを狙ったのに耐え、遂に小島のハンセン直伝のラリアットが火を吹いた!しかし痛めていた右肘激痛のためカバーできず。この後垂直落下式ブレーンバスターを3発も喰らってしまう小島。それをことごとく返していく小島。返す度に、場外では観客がいっせいに足を踏み鳴らす!盛り上がってるぞ〜!天龍のラリアットを両腕でブロックした小島は渾身のラリアットを天龍の首にブチ込んでいった。この小島のラリアットはやっぱりフォームからして以前より威力が増しとったな。ほんまにこの時はもう天龍あかんと思ってしまった。タイトル移動か!?小島がカバーに行くともうみんな総立ち!が、やはり昭和の怪物・天龍源一郎やったね、カウント2で返していく!ここから天龍が懲りずに再び垂直落下式ブレーンバスター2発。小島も返す!信じられない光景。喰らった直後にスクっと立ち、左腕で3発目のラリアット!この時ハンセンの魂が宿ったね。しかし、決まらない。意地と意地。この時オレはもうどれだけ「天龍、パワーボム!」って叫んだことか。だってそれしかもう勝てそうにないんやもん。それでも天龍はまたもや6発目の垂直落下式ブレーンバスター。小島は返す。もうスゴすぎ!そしてそして遂に出た!天龍の必殺技、パワーボムだ!!今ではこの技使う選手非常に多いけど、やっぱり元祖のテリー・ゴディと共に古くから使ってきた天龍のパワーボムは一味も二味も違ったな。説得力ありまくりのパワーボムで、28分55秒ついにカウント3が入った!天龍王座初防衛。心から拍手を送ったわ。みんな十分満足できた試合やったと思う。オレももっと腹ごしらえをしておけば良かったと思うくらい、スゲえエネルギーを使いながら応援したもんなあ。いやあ、清々しい気分やったねえ。天龍が勝ってくれて大満足やったし♪ この後気持ち良く仕事に向かえたわ。(苦笑)

 この試合をリングサイドで見ていたスタン・ハンセンは「今日は実にいい夜だ」と言っていたらしい。打倒天龍のためにラリアットのコツを教え込んだ小島を、52才という年齢をものともせずねじ伏せてみせた天龍。同世代のハンセンとしては、そんな天龍を見て思う部分があったんやろうね。52才とはいえ天龍の試合にはまだまだ説得力が溢れている。だから観客もあれだけ熱狂できるのである。つくづくプロレスって奥が深いねえ。

 この日防衛した天龍は控室のインタビューでなんと、プロレスリング・ノアのGHCヘビー級チャンピオンである小川良成との対決をブチ上げた!小川は元をたどれば天龍同盟の一員である。その成長した小川と三冠ベルトを返上してでもやってみたいと言う。小川にしてもつい先日『週刊ゴング』誌上で、「多団体で一番戦いたいのは天龍さん」と言っていた。それを受けてのことでもあるだろう。二人はプライベートでも交流があるらしいが、現実問題として全日本プロレスを裏切る形で出ていったノアの選手達との絡みは、非常に困難かと思われる。限りなく実現不可能に近い。それでも、見てみたいねえ!後日、小川はこの発言を受けて実現に向け動いてみることを公言した。果たしてノアの社長・三沢光晴はどう反応するのか?今のところ「フ〜ンって感じ。」としかコメントしていないようやけどね。(笑) 天龍も馬場元子社長に「WARの選手としてならどうか」と申し出たらしいが、やはり却下されている。様々なしがらみを乗り越えて、この対決が実現することを心底期待したいと思う!

 総括として、やっぱり生観戦は最高ですな!それにリングサイドってのが気分いいですよ。今度は特別リングサイドのチケットを取ってみようかな。今回残念だったのは何と言ってもエースである川田利明の試合が見れなかったこと。長い欠場が続いてるし心配やねえ。川田の試合もデンジャラスでハズレが無いからほんまに残念やった。それでも5850人(超満員)やったそうで、やっぱりこういう盛り上がれる雰囲気の会場で見てみたい。この次はいつどの団体の試合を観戦することになるんやろうねえ。

 なお、この日のDVDが出たら、是非買って自分の声援が入ってるかどうかチェックしたいと思う。(爆) きっと入ってるハズ。(爆)(爆)

 

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