バナナニ集エ!!2003.2.28 03 LIVE@大阪バナナホール

 2003年2月28日(土)大阪バナナホール03(ゼロサン)というバンドのLIVEを観に行ってきた。数日前にe+で御招待の案内が来たので応募したところ見事当選!Jewel(ジュエル)以来の無料ライヴでっせ。今回は当たりそうな気がしてたんよね。03って前からすごく興味があったんやけど、実はまだこの時点で全く曲を聴いたことがなかった。ライヴを見て良かったらCDを買おうかな?とも思ったけど、こういうのはやっぱり予習しておいた方が楽しめると考えてデビュー・アルバム『03』買ったがな。結果、買っておいて良かったよ、ほんまに。でないとレポなんて書けなかった。

 ここで03についてちょっと説明しておこうか。メンバーはヴォーカルの古市絢子、ベースのT.M.STEVENS(T.M.スティーブンス)、ギターの秋山智江、ドラムのそうる透といった4人組ヘヴィー・ロックバンド。古市は03結成のため急遽留学先のバンクーバーから呼び戻されたという無名のヴォーカリスト。T.M.は世界最高峰のロック・ファンク・ベーシストとして活躍し、マイルス・デイヴィス、ティナ・ターナー、ビリー・ジョエルらなどなどと幅広く活動。秋山はスタジオギタリストのアシスタントや自分のバンドの活動をしながらセッションやレコーディングなどで最近頭角を現してきたミュージシャン。そうる透はミュージシャンの間では超有名なドラマーで、12歳からプロとして活動し、ジャズ、ロック、クラシックを問わずレコーディングした曲も数千を越えるという。なんせこのベテランにしてテクニシャン二人によるリズム隊と無名の女性二人を混合した編成が興味深かったんよね。

 バナナホールはよく考えたら今までに行ったことなかってんなあ。意外なことにね。梅田駅から13分ぐらいってことで、ちょっとわかりづらい所やったけど、ちゃんと地図をメモっておいて良かったわ。

 中に入って受付で確認。どうやらけっこう招待されてるっぽいぞ。やっぱり03ってまだまだ知名度は無いんかな?メンバー凄いのにねえ。しかもavex traxやのに。ドリンク代500円払って中に。すぐに梅チューハイと交換。(笑) 席はけっこう埋まってたので、後ろの段差のあるテーブルのド真ん中に突っ立って見ることにした。そこで開演の19:00まで待つ。ザーッと見渡すとやっぱり10代が多そうな気がした。しかも音楽専門学校通ってますみたいな感じの子達が多いように思った。後はいかにもネットで当たりました的なおとなしい感じの人とかね。(笑) 

 10分押しぐらいで暗転し、ステージいっぱいにスモークが焚かれる。SEはなぜかアニメ映画『攻殻機動隊』のテーマ曲『謡1-Making Of Cyborg』。なぜこの曲をオープニングに使ったのか?この歌の詞が大和ことばか何かやったからちゃうかな?けっこう詞にもこだわってるバンドやし。

 そして4人が登場し、ハードな音が鳴り響く!曲はデビュー曲『03』。「We are 03!」って言うぐらいやから自己紹介ソングみたいなもんか。それにしてはかなりハードやけど。(笑) 古市絢子が「ウーッ!」って膝蹴りでも喰らわすかのように叫ぶ!わりとハードコアなシャウト系日本語ラップ調って感じやけど、女性ヴォーカルってことで新鮮な感じはする。かなりパワフル!こんなパワフルな日本人女性ヴォーカルは久々に見た気がする。スタイルがスタイルなだけに今どき流行らない、ちょっと古いタイプのような匂いはあるものの、体は華奢なのに胸ぐらい程長くて黒いストレートの髪を振り乱しながら、まるでヤンキーの総長の如く扇動しようとする彼女は魅力的でもあった。

 続けて『渋谷』。ヴォーカルの古市よりも華奢に見えたステージ右手の女性ギタリスト秋山智江。なかなか可愛らしい感じやが、ギタープレイはなかなか思ってたよりうまかったなあ。

 対するステージ左手にはメタル・ファンク・ベーシストのT.M.スティーブンス。なんかすげえ頭してるで。ドレッドをもっと可愛らしく編んだような。黒い顔にミラーグラスがよく似合う。体も女性二人と比べたらだいぶデカいしねえ。迫力あるベースですわ。

 ドラムのそうる透はヘッドフォンをしてクリックを聴きながら叩いてるんやなあ。まあレコーディングのサウンドを再現しようと思ったら自ずとそうなるわね。

 ここで古市のMC。大阪は2回目だそうで、「元気あるのか心配してた」って言ってたけど前回はひどかったのか? この日は上機嫌でステージ前でノってる奴らにマイクを向けたりもしてたね。

「私はまだ大阪でお好み焼きを食べたことないんだよね。大阪と言えば何?」とふられて女の子が「CATミュージック・カレッジ!」なんて答えてたな。(笑)

古市は笑いながら「わかりづらいな。他には?」

「たこやき!」

するとT.M.がイヤそうな顔をして「タコナシ!」・・・どうやらタコは食べられないようで、なかなかおちゃめなT.M.。「カワイイ!」の声もけっこう飛んでいた。(笑) T.M.はエビが好きだそうです。

 3曲目は『テレビジョン』。ギターの智ちゃんが「テレビジョーン!」って何回も連呼するんやけど、ちょいと声が細い。スタジオ盤みたいに迫力が無くてちょっとガッカリ。

 4曲目は『Helter Skelter』。何でこの曲を!?って思ったら、後から知ったけどデビュー・マキシシングルの中に入ってた。しかし何で今さらこんな曲をカバーするんやろう?って苦笑い。おもいっきりハードロックって気がしたからイマイチ面白くない。

 ここでヴォーカルの古市がハケると、03の誇るリズム隊による演奏『AREA 51』。インストの曲やけどバンドやってた人間ならこういうプレイってより楽しめるもんである。圧巻ですな。

 そしてギターの智ちゃんがハケると、ここからT.M.のベース・ソロ・プレイ独壇場。いやあ凄いわ。あのバチバチ鳴らすチョッパーのカッコイイこと。ベースの速弾きもちゃんと粒が揃ってて素晴らしい。しかもエンターテイナーとしてのツボもしっかりと心得ている。ベースの弦が切れた・・・たぶんわざとやと思うけど(笑)、その弦を高々と手に持ってアピール。当然会場は沸く。前の客は「くれ、くれ」とばかりに手を上げる。T.M.は君にやろうか?・・・やっぱりやめたみたいなことを繰り返して観客を煽る。結局、「レディー・ファースト」と一言言うと、前列の一人の女性にくるくる巻いてリング状にした弦をプレゼントした。

 すかさずローディーが新しいベースと取り替えて、再び演奏開始。今度はそうる透とのリズム合戦だ。このリズムで叩けるかとばかり複雑なリズムでベースを弾いてみせるT.M.。それを見事に叩いてみせるそうる透。・・・いやもう合ってるのかどうかオレはサッパリわからんかったけどね。(爆)

 この二人のセッションが始まるとギターの智ちゃんが駆け込んできて『GROUND ZERO』を弾きだす。ここでヴォーカルの古市も復帰だ。この曲は全部英詞。T.M.の力強い歌から始まる。かなりハードな曲でまたまた拳上げてます。(笑)

 ここでまたMCに入ると、「"ソメル"食べた?私も食べた。(笑)」ってことで、森永チョコレート「ソメル」のコマーシャル・ソングにもなってる『君死にたまふことなかれ』。タイトルを見ればわかるように与謝野晶子の詩を曲にしたもの。これは古市が昔の女性にもこんな人がいたんだなあといたく感銘をうけたらしいわ。この曲ではハードで押しまくる歌い方じゃなく、祈るような歌い方で非常に説得力を出しておったね。

 さて、ここからが困ったことにオレの記憶が曖昧だったりする。(汗) なんせアルバムをちょろっとしか聴いてなかったんで、曲を全部把握してなかってんなあ。逆によくこれだけ覚えられてたもんやと開き直っちゃったりなんかして。(爆) それだけ印象深い曲を作ってたってことでもあるんやろうね。

 次やったのは『BOY』やったかな?『OSWALD』やったかな?

 そして『応答セヨ』をやったと思うねんなあ。これは03らしいすごい押しつけがましい曲で(笑)、「応答セヨココニ集エ!」なんてみんな拳振り上げるように扇動してる歌。いやあ、今どきこんな押しつけがましい音楽も珍しい。(爆)

 次やったのも思い出せん・・・。『戒厳令の夜』あたりじゃないだろうか?メンバー紹介も何回かしてたんやけどね。一番笑ったのが古市が冗談でT.M.に「I forget your name.」って言ったらT.M.が一言「ビリー・シーン」。これにはみんな爆笑。ひょっとして持ちネタかい?って思うぐらいツボをついたギャグやね。この時T.M.は戦争が始まろうとしてるけど世界はONE PEACEだみたいなことを訴えてたわ。古市は「大阪はあたたかいね!」って嬉しそうだった。

 そして最後は人力ドラムンベースなんてCDには書いてたけども、アルバム中一番好きな曲2ndマキシシングルの『憂国』。この曲カッコええよなあ。ステージで4人が並んで立って挨拶するとみんなステージから消えた。その後アンコールの手拍子。普通「アンコール!」ってもっと激しいもんやろうに、あんまり元気が無かったような気がするが。(苦笑)

 それでも再びメンバーが戻ってくると、そうる透さんが裏方の人達を全員名前を言って「ありがとう」って言ってたな。このおっちゃんらしいなあと思ったわ。(笑) しかしこの人が黒夢で叩いてたのは全然知らんかったわ。「アンコールなんでもっとみなさん元気よく!」と言うと、ちょっとバラードっぽいような曲をやってたな。そんなゆったりとしたもんでもなかったけど、これはアルバムに入ってなかった・・・と思う。なんせ曲を把握してないから勘違いしてるかも?たぶんやけど1stアルバムの初回限定盤BONUS TRACKの『FREE BIRD』っていう曲とちゃうかなあ?この曲だけ他の曲とはガラッと雰囲気が違ったし。

 アンコール2曲目は『CAROL』っていうアルバム最後の曲。サビで「メリークリスマス!」って言うから季節ハズレな気がしなくもないが、曲調は全然クリスマスソングじゃないのでまっいいか。けっこうこの曲も好きですわ。

 そして、本当のラストソングはなぜか『You Really Got Me』。またまた洋楽のカバーですがな。これも『Helter Skelter』同様マキシシングルに入ってるみたい。別に全然好きじゃないけど、ノリノリで終わろうってことやね。そして彼らは充実した顔で帰っていった。

 だいたい約1時間半のライヴやったね。演奏はそりゃもうみんなしっかりしてるし、ヴォーカルの古市絢子の声も文句無しに素晴らしかったから、ほんまええもんを見せてもらったなあと思ったわ。あの古市の厳しい眼差しに決して負けないように彼女を見返してやった。(笑) あれだけハードな曲を完全にモノにして、力強いメッセージを乗っけて歌う彼女の声はインパクトあったね。スタイルとしては時代とはややズレてるような気がしないでもないけど、キャッチフレーズ通り、年齢、性別、国籍を超えたバンドということで面白いなあと思った。これからも注目していきたいね。

 この後、オレは急いで仕事へと向かうのだった。


 というレポの下書きを書いていたにも関わらず長々と放置しておって、アップしたのが2003年も終わろうかという今ごろだったりする・・・。あれから03は一体どうしちゃってるのだろうか?今読むとセットリストもかなり怪しいのでだいたい大雑把にとらえてもらえれば・・・。(汗) このバンドは一時的なユニットっぽいニュアンスもあるように感じるし、今後一体どういう形で活動するのかもちょっとわかりかねる。それでも確実にインパクトはあったよね。ここまで怒りみたいなのを感じる歌も珍しいし、同時多発テロ以降の世界への憂いを感じる日本発「現在」の音楽ではあった。ちなみにT.M.スティーブンスが参加してるせいもあってか、世界中からアルバム『03』に関する問い合わせが殺到したんだとか。

03の『03』を聴きながら・・・   

2003.12.24

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