MARCはつらいよ

 以前にも少し書いたように、仕事先の店でglobeの曲が出た場合、MARC役をやらされるのはオレである。それは別にオレがglobeが好きだからという理由でやらされるようになったわけじゃない。別にglobe好きなこともおおっぴらにしてなかったしね。

 オレがヴォーカリストやからってわけでもない。店ではたぶんオレが特別歌のうまい人とは思われてなかったと思う。ほとんど歌うことなかったから。まあ結果的にはglobeを好きなヴォーカリストという部分で引き受けてるとは言えるやろうけども。

 オレが店に入った頃はまだglobeの曲って1曲も入ってなかった。trfはあったんやけどね。でも、うちのオーナーがどっかのおねえちゃんにglobeの曲を入れてほしいって頼まれたんやろうなあ。(笑) 「globe入れるってラップの部分はどないするんや」とか疑問がわいてんけどな。「まあデュエット用の曲やろう」なんて思ってたんやわ。

 最初は『Can't Stop Fallin' In Love』やったっけな?コレが入りまして。でもお客さんはほとんどデュエットでは歌わない。ほとんど女性一人のパターン。結局女性も自分でMARCもやっちゃうか、もしくはラップの部分は無視しちゃってたね。それでもまあこの曲は別にMARCいなくてもそんなに困る曲やなかったし、なんとかごまかしてやってたかな。

 でも、またおねえちゃんに頼まれたんやろうなあ。すぐに『FACE』が入ってしまった。「今度こそどないすんねん!?」って思ったがな。「この曲でMARCおらんかったらちょいとまずいんちゃうん?」なんて思っても強引にやっちゃうのがうちのオーナー。前にも書いたがみんなから「先生」と呼ばれていて、ギターを弾いている。本人は実は矢沢永吉とかDEEP PURPLEだとか好きなもんやから、globeなんか全然好きなわけがない。でも、おねえちゃん連中に頼まれたら断るわけがなかった。めっちゃフェミニストやからなあ。(笑) それでもなんやムリからに演奏しとったなあ。女の子がラップの部分を歌わなかったらそこはハショって次を歌わすという。生演奏ならではの芸当やね。

 そんなある日、オレの彼女が店に来た。お客さんをいっぱい連れてね。当時の彼女はホステスをやっとったんやわ。そのお客さんはオレと彼女は友達同士ってことで伝わってるから、変に気にする必要はなかったし。その時に、彼女がオレにMARCをやらせて『FACE』を歌うと言うたんやな。しゃーないなあと引き受けたのが運のつきやった。「JIN君、MARCできるんや」ってことになって、それ以来globeの曲が出ると先生がオレの方を見て手招きしよる。(笑) カウンターの中から前に出ていってMARCやらんといかんようになってしもた。

 うちの店はバンドの人が譜面を見ながら演奏するんやけど、たまにお客さんがまだリストに入ってない曲をリクエストをする時がある。基本的にはちゃんとした譜面にするまでに少し時間が要るのでその場では入れられないのだが、先生がOKを出した場合、『月刊歌謡曲』なり『歌BON』なりの譜面を見て初見でやっちゃったりもする。

 そこでまた、先生おねえちゃんの前でいい顔したかったんやろうなあ。『Anytime Smokin' Cigarette』入れちゃったよ。運の悪いことに、その女性が途中でわからんようになってもうてどうしたらええの〜みたいな状況に・・・。オレ覚えてへんのに、無理やり前に出さされたがな。ほんで二人して首を傾げながら演奏終わってしもた。悲惨・・・。一緒になって恥をかいてあげたという・・・ (苦笑) 先生オレをにらんどるねん。覚えてへんっちゅうねん!! この一件の後、すぐに覚えたけどな。ただ、タバコ大嫌いで全く吸わへんのに、♪You have to smoke〜 ってハモッてる自分が嫌やったりして。直訳したら「あなたはタバコを吸わなければいけない」やからねえ。そんなアホなことあるかい!!っていう。まあええか、本物のMARCも ♪病院送りになる前にCigaretteでも吸おうかな〜 なんて歌ってるのに、かれこれ2年ぐらい禁煙しとるらしいから。(笑)

 ハッキリ言って生バンドでglobeを歌うのは難しい。これがまだ毎回同じバンドメンバーだったらまだやりやすいとは思うが、バンドの人はギターのオーナー以外はベース、キーボード、ドラムとも2,3人がローテーションを組んで入っている。しかもギター無しのスリー・ピースで演奏することも少なくない。(苦笑) 個人的にはギター無しの方がMARCはだいぶやりやすかったりするけどね。(爆) 

 だから毎回そのメンバーの組み合わせで曲の雰囲気が変わってしまう。正直な話、やりやすい人とそうでない人がいる。カラオケじゃないから歌詞は歌詞ファイルを見ながら歌うことになる。そもそもバンドの人達は原曲をちゃんと聴いて覚えているわけでもないので、原曲のイメージとは全然違う音を使ったりすることもある。それでもって打ち込みサウンドじゃないんで、毎回毎回テンポも微妙に違う。さらにイントロとか間奏とか長い場合はサイズを短くすることも多いので、気をつけてバンドの人と連携をとらないといけない。

それにglobeの曲って同じフレーズが延々バックで鳴ってたりするから、一つ間違えたらどこがどうなんか見当つかず、もうズレまくってしまう危険性をはらんでいる。普通バンドの人も歌う人間にある程度は合わしてくれるんやけどね。その辺のやりやすさもメンバーによって変わってくる。まあバンドの人達も人間なんで、その日のコンディションやその時の店の状況にも演奏は左右されたりするしね。ライブはナマモノということで、同じ曲でも毎回違うんよ。

 なんだかんだ言うても、バンドの人達はプロやからええけど、歌うのはみんな素人さんやからねえ。これを横でナビゲートしながらMARCをやらんといかんのが大変やったりする。とにかくどこを歌ってるかオレがわからなくなってもうたらどうしようもないんで、常に歌詞から目を離さないようにしている。そして指でどこを歌えばいいかちゃんと教えてあげる。歌詞の文字の色が変わっていくわけやないんで。(笑)

 みんなうまけりゃ問題ないんよ。でもいろんな人がおるからねえ。MARC的に一番困るのが、原曲よりキーを下げられることやな。globeはどの曲もキーが高いから、声出なくて下げてほしいっていう人多いねん。そうするとやねえ、ただでさえ低いMARCの声をさらにとんでもなく低い声でブツブツ言わんといかんようになるんや! なんぼオレの声がかなり低い声も出せるとはいえ、シャネルズやないんやから。(古) みんなKEIKOの部分はかなり張った声で歌ってるからなあ、MARCはお経というか囁き系やったりするんで落差が大きいんよ。そんなglobeのコンサートみたいにちゃんとP.A.がいるわけでもないからやねえ。困っちゃうわん。

 お客さんより目立ってしまってもいかんから、そのバランスのとり加減も難しい。MARCのラップだけやと暇をもてあましてしまうから、ちゃんとTKのハモリも全部オレがやってるんやけど、オレの声の方が前に出すぎても問題あるんで声のバランスとかを考えないといかん。声量のある人やったらそんなに気にせんとできるけども、そうやないとかなりマイクを離して歌ったりして、オレは紅白歌合戦の和田アキコか!なんて時もある。

 また、譜割りをちゃんと覚えてなくて、自分勝手なハメ方で歌う人とかもいるしね。合わせるのが大変。

 たまに酔っぱらって足下フラつかせながら歌う人もおるし。支えないかんがな。

 1回だけ男性と一緒にやったことがある。ニューハーフの春菜愛ちゃん言うてテレビにもよう出てた人とやねんけどね。(笑) 『FACE』を歌ってたわ。アレぐらいになるとほんまに見た目も声も女やもんなあ。特別うまくはなかったけどね。

 やっぱり歌がうまい人とがやりやすいし、気持ちいいね。

 しかし『Love again』とか『DEPARTURES』とか別にMARCやらんでもええやんって思うもんなあ。なんか出ていく時恥ずかしいんよ。逆に『FREEDOM』なんかはMARC大活躍の上に、ハモリもやってるからオレの方がどうしても目立ちがちやしコレでええんかなあとか思ったりもしますが。間奏のキーボード・ソロ手弾きやしバンドの人大変な曲やな。

 最近のglobeはトランスの方に走ってるせいもあって、『On The Way To You』を最後に入らなくなってもうたけど、あのかつてシングル4枚連続リリースの曲を先生が全部入れるとか言うた時にはバンドの人達の間で物議を醸したという。『Wanna Be A Dreammaker』と『sweet heart』は人間には無理や言うて。ビッグ・ビートにドラムン・ベースやからねえ。

でも、『Wanna Be A Dreammaker』はちょいちょいやってまっせ。あのラストの部分がもうほんまに大変。KEIKOの部分を教えながらMARCをやるなんて無茶やねん。一つつまづいたらもうあかんね。神経使うわ。女性がちゃんと歌えることを祈るのみ。

『sweet heart』はまだ1回もやってない。1回出かけてスタッフが断っとったわ。アレはリストから外すべきやね。(笑) アレを生バンドでやるのはほんまに無茶やわ。オレもなんかレゲエのおじさんみたいなラップをやらんなんかと思うと恥ずかしいし。(爆) 先生はglobe苦手なくせにおね〜ちゃんの御機嫌取りで入れてしまうからなあ。せめてちゃんと弾いてくれるんやったらこっちも頑張るけど・・・ってココだけの話やで。(笑)

 そんなこんなで、けっこう気使うし大変なわけだ。楽しみながらというよりかは、事務的にやってる部分の方が強いかもしれん。気分転換にはええんやけどね。おかげでうちの店ではすっかりMARCのイメージがついてしもたし。まあ生バンドでglobeってのもそれなりに勉強にはなってるのかな。

 でも、globe歌う女性ってたいていどこかの男性に連れてきてもらってたりするし、そういう部分でもなんかやりにくさを感じたりする部分もあるわあ。ごくたまにジェラシーを感じる人もいらっしゃるんで。(笑) 

 一番やってて良かったなあと思う時はやっぱり「MARC最高!!」って言うてもらえた時やろうね。

globeの『Lights』を聴きながら・・・   

2002.03.11

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