Joy to the globe

 ある日、朝日新聞で『avex matrix '95 TK DANCE CAMP』という大阪万博公園お祭り広場で行われる野外イベントのチケット広告欄を見かける。出演は、H Jungle With t、trf、安室奈美恵 with SUPER MONKEY'S、篠原涼子、hitomi、翠玲。これは大阪万博公園お祭り広場で行われる方で、東京の方にはなんと坂本龍一と観月ありさも出演するという。まさに当時の小室ファミリー大結集イベント。そんな顔触れの中にglobeという見知らぬ名前が入っていた。

 「なんだコレは?」しばらくしてからこのglobeは小室哲哉とMARC PANTHERとKEIKOという三人によるユニットだという情報が入ってくる。「おお、小室哲哉がメンバーに!!」っていう期待感が最初に湧いてきたと思う。後、MARC PANTHERはモデル時代のことはよく知らなかったが、H Jungle With tの『WOW WAR TONOGHT』に参加してたり、『Very Very Nice Song』っていう小室哲哉プロデュースのラップのCDを出してたからだいたいどんな奴なのかは知っていた。問題は謎の人物KEIKOである。MARCがFMで「この娘がメチャメチャ歌がうまいんですよ!!」って言うてたから、これは期待できそうなユニットやなあと思った。ただそれ以外の情報が一切入ってこない。

 そんなある日、フジテレビ系のドラマ『ひとりにしないで』の主題歌として、初めてglobeのデビュー曲『Feel Like dance』を耳にする。「なんやコレ!? trfちゃうん?」っていうのが最初の正直な感想だった。それぐらいKEIKOの歌い方と声質がtrfのYUKI(北村夕起)に似ていた。MARCのラップもKOOとダブッたし。曲もダンサブルなリズムとサウンドでバリバリのコムロ印。違うのはちょっとだけTK自ら歌ってる部分があるっていう程度にしか思わなかった。「これやったら別にわざわざ新しいユニットなんか作らんでもええんちゃうんかいな」って思った。

 そういうわけで、少し期待を裏切られたような感じで、大阪万博公園お祭り広場の『avex dance Matrix '95 TK DANCE CAMP』へと出向いたのだった。真夏の暑い空の下、25000人ぐらいやったっけな?オレの席はほとんど1番後ろやった。久保こーじ率いるNo! Galersの演奏から始まり、その当時絶頂期だった小室ファミリーの面々が次々とヒット曲を披露していく。そして、いよいよglobeの登場だ。

 東京の方は衛生放送されたりビデオにもなってるんで見た人も多いだろう。でも大阪の方が先やったから、まさにこの時がglobe初御披露目の瞬間である。「へえ〜、KEIKOってあんな顔してたんや。顔でっかいなあ。」っていうのが実に失礼ながらオレの第1印象だった。一番後ろの方から見てそう思ったんやから間違いない。TKが最近音楽番組『FUN』でKEIKOの最初の頃の印象として「やぼったかった」って言うてたけども、まさにその通り!(笑) ちょっとオバチャンっぽい感じがしたんよね。でも歌はうまかった。実際に聴いてみると、そんなにYUKIみたいでもなかったし。だいたいYUKIより全然うまいんやけどね。この日は『Feel Like dance』と、まだ発売してなかった『Joy to the love(globe)』の2曲だけだったが、『Joy to the love(globe)』の時は正直に言ってダレてしまった。「まあ初ステージはこんなもんやろう」ってな具合で可もなく不可もなくっていったところだった。

 TKはこのglobeを「日本版 2 Unlimited」として、最初はMARCとKEIKOの二人でやらせようとしていたらしい。でもここで自分が入ることによって3人組ユニットにしたところが、やっぱり本人のバランス感覚のするどさやったんやろうなあ。仮にMARCとKEIKOの二人組やったとしたら、おそらくこんなに息の長いものにはならなかったやろうし。

 ここまでの時点では、globeを見る目は半信半疑ってとこやったかな。シングルも聴いてるうちに、けっこういいなあって思えるようにはなってたし。同時に世間の認知度も上がっていってたな。

 それを決定づけたのが、何と言っても『DEPARTURES』。最初聴いた時は、ユーミンの『卒業写真』みたいな出だしやなあって思った。(笑) いいツボをついた。これはかなり売れるやろうと思ったらほんまにメチャメチャ売れたな。このあたりでKEIKOの歌に対する評価が、世間から確実に認知されたように思えた。

 そして、あの記念すべき1stアルバム『globe』で、その地位を確固たるものにする。ハッキリ言って、非常に良いアルバムだった。trfの曲がダサくなってきたと思ったら、こっちに力を入れてきたんやなっていうのが明らかにわかる出来栄え。その良さを象徴するかのようにこのアルバムはすごくイイ売れ方をした。1年にわたってかなりのロングセラーとなったのだ。『globe』は1996.3.31発売。1997.1.6のオリコンでは71位だったのが、翌週には14位に急上昇! 年末番組効果か!? 結局このアルバムは450万枚以上の売り上げを記録したのだった。このころのglobe人気がわかろうというものだ。

 こうなるとやっぱりLIVEに期待がかかるわけで。あの4大ドームツアーが2ndアルバム発売と同時期に行われた。オレは電話予約で、かろうじて記念すべき大阪ドームのこけら落としのチケットを取ることに成功した。

 『globe@4_domes FACES PLACES』。会場内の正面にはデカデカとそびえたつ電脳要塞。とんでもなくメカニカルで巨大なセットがステージだった。あのスケールのデカさは生で見てみないとビデオでは伝わらないだろう。確か20億円とか言ってなかったっけな?(忘れた)。 

 いやはや、スゴかった。ほんまにド肝をぬかれたって感じ。TKがTM NETWORKで築き上げてきたエンターテインメント・ショーが、遂にここまで完成されたかというほど、仕掛けに次ぐ仕掛け。何台もの巨大なビジョンと照明をを自在にコントロールし、鮮烈なハイテク空間を作り上げる中、TK、KEIKO、MARCの三人が縦横無尽に駆け回る。

 特にTKに関してはTMN終了以来、久々の大パフォーマンスぶりだった。ピアノ・ソロでは、『TIME TO COUNT DOWN』のイントロを弾いてくれたり、キース・エマーソンばりのオルガン・プレイもノリノリで、極め付けはショルダーキーボードからレーザー光線をブっ放し、宙に浮かんだオルガンを爆破させていた。この暴れっぷりにはTMを知らない世代のファンは驚いたのではないだろうか。

 KEIKOは、やたらと高音の曲を歌わねばならなかったために、やや声が苦しげには聞こえたが、それでもフロントで立派に歌姫として君臨していた。彼女の歌には明らかに人に力を与えてやれるモノがあった。同性からも好かれそうなキャラクターだったので、これからますます人気が上がるだろうと感じた。

 そして、MARCの存在だ。彼は実にステージ映えする男である。あのモデルあがりのスタイルの良さが思う存分発揮されていた。タッパがあるってのは、大会場ではほんまにええよねえ。それがTVで見ると伝わりにくいのが残念だが、MARCが会場を走り回るとすごく様になるのである。

 なるほど! この日、大化けしたglobeを目の当たりにした。コレは見続けていく価値のあるユニットだと思った。と、同時にオレと同世代であるMARCやKEIKOに対して、ミュージシャンとしての自分がジェラシーを感じていることに気づかされた。そりゃ、そうでしょ。ポッと出やのに、あんな大舞台でTKと一緒にやれるんやから。TKも言ってたな、「僕はここまで来るのに、(この二人と違って)本当に大変だったです!」って。(笑)

 こうして、オレの中でのglobeっていうのが、落ち着いていったかなって感じかな。

globeの『globe@4_domes』を見ながら・・・   

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