『RYDEEN』/ YMO 

 このコーナーの記念すべき1番目の曲は、やはりこれ。この曲と初めて出会ったのは小学校の運動会・・・ではなく、当時土曜P.M.5:30から放送していた『全日本プロレス中継』の中である。

 『南海の黒豹』と異名をとったリッキー・スティムボートというレスラーがいた。彼は母親が京都人ということでハーフの外人レスラーだったが、黒髪と日系の端正な顔立ちが何ともオリエンタルなムードを漂わせ、当時大変人気のあったレスラーである。その彼の入場テーマ曲がこのYMOの『RYDEEN』だった。一聴して全身鳥肌が立ったのを覚えている。なんせカッコ良かったのだ。とりわけそのサウンドが衝撃だった。

 当時、私は小学校四年生だったが、その頃はまだ巷ではシンセサイザーのサウンドが今みたいに町中で溢れている時代ではなかった。しかもデジタルではなく、アナログシンセのサウンドなものだから、聴いた瞬間、ズンとくる重みがあるのだ。それとあのチッチキチッチキチッチキ・・・という16分シーケンスの感覚がたまらなく新鮮だった。

 でも、何と言ってもやはりあの曲調だ。メロディーがすごく力強い。一度聴いたら忘れられない凄まじいフレーズだ。あの曲調とアナログシンセのサウンドが見事に融合し、私はまさに雷に打たれたようだった。そしてこの曲はいつも涼しい。マイナスイオンを感じる。藍色の闇に閃光が走り、ハネ返る雨の雫が霧のように包んでゆく中を疾走する白馬の甲冑の騎士のイメージがオレの脳裏をかすめる。(勿論人それぞれのイメージがあるだろうけど。)この曲が運動会でかかるとなんだか自分がいつもより速くカッコよく走れるような気がしたものだ。(笑)

 私が最初に買ったLPレコード(ああ、思わず歳を感じてしまう・・・)は、『ウエスタン・ラリアット』という全日本プロレスのレスラーのテーマ曲を集めたアルバムなのだが、その中にも『RYDEEN』が収録されていた。ただし、YMOのではない誰かのパチモンなカバーだった。しかも倉持隆夫アナの実況までかぶってやがった。ちなみに、「アレ?何か違うぞ・・・」と思ったのは『RYDEEN』だけではなく、ミル・マスカラスのテーマ曲『スカイ・ハイ』やスタン・ハンセンのテーマ曲『サンライズ』、ブルーザー・ブロディのテーマ曲『移民の歌』なんかも「おいおい」とつっこみたくなるような代物でほんまにガックリだった。無論、今ではこれらの名曲がオリジナルで1枚に収まるなんてのは著作権上、非常に困難だということはわかってはいるが当時12歳の私はそんなことなんぞ何も考えてはいなかった。

 そんなことがありつつ、後に新たにEPレコードで『RYDEEN』を買うのだが、いやあホントに感動、感激だった。やっぱりパチモンとは全然質が違う。シンセの音の音圧がそれはもう天と地ほどに違った。レコードだと擦り切れるんで、早速カセットテープ(これももはや時代を感じるようになってしまったな・・・)にダビングして、もう腐るほど何度も聴いたのだった。(勿論今でも腐ってはいない。でもテープは伸び伸びになってしまったね。)

 実はこのLPとEPの間にFMエアチェックで『RYDEEN』を録音することに成功していた。それはYMOのアルバム『PUBLIC PRESSURE』からのライヴ・ヴァージョンだった。(主に私の中学時代の音楽鑑賞はFMによる情報収集が要となりつつあった。)これを聴いて正直「う〜ん」と思ってしまった。何かスタジオ盤と違って音がスカスカに聞こえたのだ。これはテクノというよりもフュージョンではないかという感じ。それでもまあ何度も聴いているうちにコレはコレで味があってイイんじゃないかと思うようになってきた。

 ちなみに私が最初にCDを買ったのは中学三年生の時で、上記の『PUBLIC PRESSURE 公的抑圧』だった。当時、まだCDはほとんど普及していなかったため、なんと1枚で3,800円という高価さ。今なら2枚組の値段である。(なんかだんだん自分がオッサンになってしまったような気になってきた・・・。えっ?十分オッサンやって?いやいや私はまだ子供や学生におっさん呼ばわりされたことはないぞよ。)

 ところで、YMOはかなりのライヴ音源やいろんなアーティストのカバー、リミックスのCDが世に出ている。当然、この『RYDEEN』も数々のヴァージョンがあるわけだが、それもこれもオリジナルのクオリティーの高さ故だろう。そしてやはり私はこのスタジオ盤のオリジナル『RYDEEN』が一番好きである。

 富田勲の『展覧会の絵』のシンセサイザーで衝撃を受け、そしてこのYMOで完全にシンセサイザー・サウンドに打ちのめされてしまった。まさに私のシンセサイザーのサウンドへのこだわりはここから始まったのだ。

収録アルバム

・『SOLID STATE SURVIVER』

・『SEALD』

・『YMO GO HOME!』

etc.

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